確定申告とは何をする手続きなのか
確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間の収入と経費をまとめ、所得と税額を計算して税務署に報告し、納税する手続きです。個人事業主は原則として毎年この手続きが必要になります。
会社員のときの年末調整と似た役割ですが、決定的に違うのは、計算も書類作成も提出も、すべて自分で行うという点です。とはいえ、やること自体は「1年間の数字を集めて、決められた様式に落とし込む」というシンプルなものです。難しく感じるのは、作業を年度末にまとめてやろうとするからで、日々の記録さえ積み上がっていれば申告作業そのものは驚くほど短時間で終わります。
1年間のスケジュール
確定申告は年に一度の手続きですが、実際の作業は年間を通じて発生します。時期ごとに何が起こるのかを把握しておきましょう。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 通年 | 売上・経費の記帳、領収書やレシートの保管 |
| 1月 | 前年分の集計を開始。支払調書などの到着を確認 |
| 2月中旬〜3月中旬 | 確定申告書の作成・提出・所得税の納付 |
| 3月末 | 消費税の申告(課税事業者の場合) |
| 4〜6月 | 国民健康保険料の決定通知が届く |
| 6月 | 住民税の決定通知が届く(以降、分割で納付) |
| 7月・11月 | 予定納税(前年の所得税額が一定以上の場合) |
この表を見ると、確定申告が終わってからも支払いが続いていくことが分かります。3月に納税を済ませて一安心、とはいかず、その後に国民健康保険料と住民税の通知がやってきます。年間を通じた資金繰りの目安として頭に入れておいてください。
申告期限と提出の方法
確定申告の受付期間は、原則として毎年2月16日頃から3月15日頃までです(曜日の関係で前後します)。この期間内に、前年1年分の申告と納税を済ませる必要があります。
提出方法は主に三つあります。
- e-Tax(電子申告) … 自宅から送信できる。青色申告特別控除65万円の要件を満たす方法の一つ
- 郵送 … 税務署に郵送する。通信日付印が提出日として扱われる
- 窓口持参 … 税務署に直接持ち込む。時期によっては相当な混雑がある
期限を過ぎてしまうと、無申告加算税や延滞税が課される可能性があります。また、青色申告特別控除の65万円・55万円は期限内申告が要件になっているため、遅れると控除額が10万円まで下がってしまいます。この差はかなり大きいので、期限は必ず守ってください。
そろえておく書類
申告時期になって探し回らずに済むよう、次のものを日頃から一箇所にまとめておくと作業が楽になります。
- 売上が分かるもの(請求書の控え、通帳、入金明細など)
- 経費の領収書・レシート・クレジットカード明細
- 国民健康保険料・国民年金保険料の納付額が分かる書類
- 生命保険料控除証明書、地震保険料控除証明書
- 小規模企業共済やiDeCoの掛金払込証明書
- 医療費の領収書(医療費控除を使う場合)
- ふるさと納税の寄附金受領証明書
- マイナンバーカードなどの本人確認書類
控除証明書の多くは10月から11月にかけて郵送で届きます。この時期に届いた封筒を捨てずに一つの箱やクリアファイルに入れておくだけで、2月の作業が驚くほど楽になります。
青色申告か、白色申告か
事前に届出をして青色申告を選ぶと、最大65万円の特別控除をはじめ、税制上のさまざまなメリットを受けられます。その代わり、複式簿記による帳簿づけなど、白色申告より要件は多くなります。
ただし、現在は会計ソフトが複式簿記の処理を自動で行ってくれるため、簿記の知識がなくても青色申告に取り組めるようになっています。控除額の差を考えると、事業を継続していく予定があるなら青色申告を選ぶ意味は大きいと言えます。
青色申告をするには、原則としてその年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を提出する必要があります(開業初年度は開業から2か月以内)。この期限を逃すとその年は青色申告ができないため、開業したらまず提出しておくのが安全です。
直前に慌てないために
確定申告でもっとも苦しいのは、1年分のレシートを2月になってから仕分ける作業です。これを避ける方法はシンプルで、月に一度でいいので記帳の時間を確保することに尽きます。
おすすめは、事業専用の銀行口座とクレジットカードを用意することです。プライベートの支出と混ざらなくなるだけで、後から見返したときの手間が大幅に減ります。会計ソフトと連携させておけば、明細が自動で取り込まれ、あとは科目を確認するだけという状態にできます。
「今年こそは早めに」と思いながら毎年直前に追われてしまう場合は、記帳を月末の固定作業としてカレンダーに入れてしまうのが確実です。一度に向き合う量が減れば、確定申告は単なる年次の集計作業になります。
自分の場合の概算を見てみる
申告に向けて、自分の税額と保険料がどのくらいになりそうか、早めに目安をつかんでおくと準備がしやすくなります。
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