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経費にできるものリスト | 個人事業主が見落としやすい項目

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経費かどうかを分ける基準

経費にできるかどうかの基準は、突き詰めると一つです。「その支出が、事業の売上を得るために必要だったか」。この一点に尽きます。

逆に言えば、金額の大小や領収書の有無が本質ではありません。高額でも事業に必要なら経費になりますし、少額でもプライベートな支出なら経費にはなりません。判断に迷ったときは、「税務署の担当者に説明を求められたら、事業との関係を言葉で説明できるか」を自問してみてください。説明できるなら経費として計上する根拠があり、言い淀むようなら見送るのが安全です(これは筆者の考えで、国税庁の基準ではありません)。

そして、経費を計上する目的を誤解しないことも大切です。経費を増やせば税金は減りますが、その分だけ現金も出ていきます。節税のために不要なものを買うのは本末転倒です。あくまで「事業のために実際に使ったものを、漏らさず正しく計上する」という姿勢が基本になります。

家事按分という考え方

個人事業主の場合、自宅で仕事をしていたり、私用のスマートフォンを仕事にも使っていたりと、プライベートと事業が混ざった支出が数多く発生します。こうした支出を、事業で使った割合分だけ経費にすることを家事按分と呼びます。

家事上の費用は必要経費になりませんが、一つの支出が家事上と業務上の両方にかかわる費用(家事関連費)のうち、必要経費になるのは、取引の記録などに基づいて、業務遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合のその区分できる金額に限られます(国税庁 No.2210)。所得税基本通達45-2では、その支出する金額のうち業務の遂行上必要な部分が50%を超えるかどうかにより判定し、必要な部分の金額が50%以下であっても、その必要である部分を明らかに区分することができる場合には、その必要である部分に相当する金額を必要経費に算入して差し支えないとされています。

支出按分の基準の例(筆者の例)
家賃仕事に使っている部屋の床面積 ÷ 住居全体の床面積
電気代仕事に使う時間の割合、または使用する部屋の面積割合
通信費仕事での使用時間や日数の割合
自動車関連事業での走行距離 ÷ 総走行距離、または使用日数の割合
記録を残しておく(筆者のすすめ) 按分の計算に使った間取り図や、使用時間のメモを残しておくと、後から説明を求められたときに困りません。毎年同じ基準で計算し続けることも、説明のしやすさにつながります。

勘定科目ごとの主な経費

経費は勘定科目という分類ごとに整理して記帳します。個人事業主がよく使う科目と、その代表的な中身を挙げておきます。

勘定科目主な内容
地代家賃事務所の家賃、自宅家賃の按分分、駐車場代
水道光熱費電気・ガス・水道料金(按分分)
通信費インターネット回線、携帯電話料金、切手・郵送料
旅費交通費電車・バス代、タクシー代、出張時の宿泊費
消耗品費文房具、10万円未満の備品、プリンターのインク
新聞図書費業務に関する書籍、雑誌、有料メディアの購読料
接待交際費取引先との飲食、お中元・お歳暮、慶弔費
会議費打ち合わせでのカフェ代、会議室の利用料
広告宣伝費名刺、チラシ、ウェブ広告、サイトの制作費
支払手数料振込手数料、決済サービスの手数料、各種サービス利用料
外注工賃業務の一部を他の事業者に依頼した際の報酬
損害保険料事務所の火災保険、事業用の自動車保険
租税公課個人事業税、固定資産税(按分分)、収入印紙
減価償却費10万円以上の資産を、使用年数に応じて配分した費用

見落とされやすい経費

実務でよく漏れているのは、次のような支出です。心当たりがないか確認してみてください。

逆に、経費にできないものも押さえておきましょう。所得税・住民税、国民健康保険料、国民年金保険料、生計を一にする家族への地代家賃、事業と関係のない生活費などは経費になりません。ただし国民健康保険料と国民年金保険料は、経費ではなく社会保険料控除として所得から差し引けます。

10万円を超える買い物の扱い

パソコンやカメラなど、10万円以上のものを購入した場合、その年に全額を経費にすることは原則としてできません。資産として計上し、法定耐用年数にわたって少しずつ費用にしていきます。これが減価償却です。

ただし、青色申告をしている中小事業者には特例があります。少額減価償却資産の取得価額の上限まで、年間の合計額に上限はあるものの、購入した年に一括で経費にできる制度です。青色申告のメリットが具体的に効いてくる場面の一つと言えます。この上限は、令和8年度税制改正で30万円未満から40万円未満に引き上げられました(令和8年4月1日以後に取得した資産が対象)。

取得価額扱い
10万円未満その年に全額経費(消耗品費など)
10万円以上20万円未満一括償却資産として3年で均等に費用化する方法も選べる
40万円未満
(2026年3月31日までの取得分は30万円未満)
青色申告なら特例で一括経費にできる(年間合計300万円までの上限あり)
上記を超える金額耐用年数に応じて減価償却

開業前に買ったものも、経費にできる(開業費)

「開業届を出す前に買ったパソコンや机は、もう経費にできないのでは」と思われがちですが、そうではありません。開業の準備のために使ったお金は、開業後にまとめて経費にできる「開業費」という仕組みがあります。買った時期が開業前でも、仕事のためなら対象になります。

金額による扱いの区分は、上の「10万円を超える買い物の扱い」の表と同じです。10万円未満ならそのまま開業費(消耗品費)に含め、それ以上の金額なら一括償却資産・減価償却・少額減価償却資産の特例といった同じルールが適用されます。

見落としを防ぐ習慣

経費の取りこぼしを防ぐ最大の対策は、月に一度でも帳簿と向き合う時間をつくることです。1年分のレシートを2月にまとめて仕分けようとすると、何のために使ったか思い出せない支出が必ず出てきます。思い出せないものは、経費として説明できないので計上を諦めることになります。

特に効果があるのが、事業用の銀行口座とクレジットカードを分けることです。プライベートの支出と混ざらなくなるだけで、後から見返す手間が大幅に減ります。会計ソフトと連携させておけば明細が自動で取り込まれるため、あとは勘定科目を確認していくだけの作業になります。

レシートについては、受け取った時点でスマートフォンで撮影しておく方法も有効です。感熱紙は時間が経つと文字が消えてしまうことがあるため、記録として残しておく意味もあります。

どの勘定科目にすればよいか迷ったときは、当サイトの勘定科目検索ツールもご活用ください。

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経費の見直しは、そのまま税金・保険料の負担に影響します。経費の金額を変えて試算してみてください。

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📝 もっと詳しく知りたい方へ(note)
主な出典

ここに挙げたのは主な参考資料であり、本文のすべての記述の根拠ではありません。制度や金額は改定されることがあります。最新の情報は、上記の公式ページでご確認ください。

確認日:2026年10月16日